歯ぎしり・くいばりの秘密、起こる原因と対処法
こんにちは。
伊丹市、阪急伊丹駅すぐの歯医者、はまだ歯科クリニックです。
朝、起きたときに顎が痛い、だるいなどの症状はありませんか?
それは、寝ているときの歯ぎしりやくいばりが原因かもしれません。
しかし、なぜ歯ぎしりやくいしばりが起こるのか、また、どう対処すればよいのか知っていますか?
今回この記事では、歯ぎしり・くいばりの原因から対処法までを詳しく解説します。
歯ぎしり・くいばりとは?
歯ぎしりは、主に寝ている間に歯と歯が擦れ合う音がすることを指します。
特に深い眠りの際に発生することが多いです。
対照的に、くいばりは、強く歯をくいしばる行為を指します。
グッと上下の歯を強く噛みしめる(くいしばり)やカチカチと歯をすばやく打ちならす(タッピング)があります。
また就寝時だけでなく日中、上下の歯を持続的に接触させる癖が原因でお口や身体の健康に影響を及ぼしていることがあります。
これは日常生活で、特にストレスや緊張を感じる場面で無意識に行われることが多いです。
歯ぎしりやくいばりの発生は、個人の習慣や環境、生活様式によって異なりますが、どちらも顎や歯に対する負担が増加するため、注意が必要です。
特に、自分で気づきにくい行為であるため、家族やパートナーに指摘されることで初めて気付くことも少なくありません。
なぜ歯ぎしり・くいばりが起こるのか?
歯ぎしりやくいばりの原因は多岐にわたりますが、以下の3つの要因が主な原因として挙げられます。
ストレスが関連する
ストレスは歯ぎしりやくいばりの主な原因の一つです。
日常の緊張やプレッシャー、仕事や人間関係のストレスが蓄積すると、無意識のうちに歯を強くくいしばることが増えます。
また、感情を押さえつけられたり妨げられたりすることにも関与するとされています。
ストレスが原因で歯ぎしりやくいばりが起こることが知られています。
歯の位置や噛み合わせの問題
歯の位置が正しくない、または噛み合わせに問題がある場合、顎のバランスが崩れ、歯ぎしりやくいばりが起こりやすくなります。
特に矯正歯科治療や抜歯後の歯の移動によって噛み合わせが変わった場合に注意が必要です。
睡眠障害との関連
睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が原因で、呼吸が一時的に止まる際に、歯ぎしりが起こることも考えられます。
これは酸素が少なくなることで、脳が覚醒反応を起こし、歯ぎしりが発生するという理論が提唱されています。
歯ぎしり・くいばりの影響
歯ぎしり・くいしばりを放置すると、歯周病の悪化や肩こり・頭痛・めまいなどの全身のさまざまな不快症状を引き起こしてしまう恐れがあります。
歯やお口周りへのダメージ
長期間にわたって歯ぎしりやくいばりを続けると、歯の表面が削れてしまうことがあります。
歯ぎしりやくいばりにより、歯の表面が削れたり、歯が欠けたりすることがあります。
また、長期的になると歯だけでなく、顎や顔の形にまで影響が広がります。
毎日、強く咬み合うことで、歯だけでなく、顎の筋肉・関節・さらには骨にまで影響を及ぼします。
例えば、治療した歯のつめものがすぐに欠けてしまう、はずれてしまうことがあります。
また、時間をかけて矯正したのに歯ならびが悪くなってしまうこともあります。
顎関節症のリスク
顎の関節や筋肉に過度な負担がかかると、顎関節症のリスクが高まります。
顎関節症は、開閉時の痛みやキリキリとした音、顎の動きの制限などの症状が現れます。
顎の関節左右の動きにズレがあって違和感を感じる、物を噛むと顎の関節に痛みを感じる、顎が外れそうになるケースもあります。
顔の変形
食いしばりを片側でしている人は注意が必要です。
食事の際、片側だけで噛む癖のある方が多くいらっしゃいます。
片側で噛む癖が長期間にわたると、力を加える方にだけ顎の筋肉が発達して、顔の歪みを引き起こす原因になります。
ひどくなると、目や大きさや頬の張り方が左右で違ってくることもあります。
楔状欠損(くさびじょうけっそん)、知覚過敏
人間が力いっぱいかみしめた時の噛む力は、自分の体重程度と言われています。
例えば体重50㎏の人なら、噛む力は50㎏を出すことができます。
よく固いものを食べている人や、スポーツをしている人は、歯を食いしばることが多いので、最大に噛む力が体重以上になることもあります。
そして睡眠時の噛む力(咬合力)は1日の中でも1番強く、夜間の歯ぎしり(起床前の約3時間に多く発生し、入眠時よりも覚醒時)では、顎骨に500㎏〜1000㎏荷重がかかります。
歯牙単位では、250㎏の荷重がかかると言われています。
くいしばりや歯ぎしりで強い力が歯にかかっていると、歯の見えている根元の表面のエナメル質と象牙質の境目が楔(くさび)が打ち込まれたように欠損した状態になります。
これを「楔状欠損」といいます。
歯の見えている部分の根元が露出している状態が続くと、冷たいものがしみる、歯ブラシが当たると瞬間的な激痛が走る症状がある人は「知覚過敏」の可能性があります。
知覚過敏は軽度のものなら塗り薬の塗布などで症状を和らげることができますが、ひどくなってしまうと歯の神経を抜く治療が必要になることがあります。
また、楔状になった部分にプラークがたまって、虫歯や歯周病の危険が高まります。
あまりに進行すると、歯の神経が露出する可能性があるので、注意が必要です。
からだの不調
歯ぎしりが原因で肩こりや頭痛・腰痛、全身の全身の倦怠感・だるさなど、さまざまな症状に発展し、全身にまで影響が広がります。
睡眠の質の低下
睡眠中の歯ぎしりが原因で、深い眠りに入れないことがあります。
これにより、日中の眠気や集中力の低下、疲労感などの症状が現れることがあります。
歯ぎしり・くいばりの対処法
歯ぎしり・くいばりの対処は、原因を特定し、それに応じた方法を取ることが大切です。
歯ぎしりや食いしばりは一種のクセなのですが、その原因のひとつにはストレスを代える行為といわれています。
ストレスを感じるとそれを発散させるために歯をくいしばってしまうのです。
また、仕事中・勉強中・家事をしている時など、集中している時に上下の歯を合わせてしまうのが癖になっている人がいます。
日中の食いしばり対策は、まず自分で気付く(認知すること)です。
時々自分で意識して、食いしばっていないか確認してみましょう。
もし気が付いたら顎の力を抜いて、上下の歯を離してみてください。
何かに集中しているとき(仕事や勉強や家事など)にくいしばりを起こしやすいので、ご自身でくいしばらないように常に暗示をかけるようにすることもコツです。
ストレスの緩和
リラクゼーションや適切な休息、趣味や運動を取り入れることでストレスを減少させる努力が必要です。
マウスピースの使用
寝ているときはコントロールができないので、マウスピースをつけて眠ることで、歯や顎へのダメージを軽減させます。
歯医者で歯型を取り、作成するオーダーメイドのマウスピースは、歯の摩耗を防ぎながら、顎のバランスを改善する役割があります。
噛み合わせの調整
歯の位置や噛み合わせが原因の場合、矯正歯科治療や噛み合わせの調整が必要です。
まとめ
歯ぎしり・くいばりは就寝時に無意識にしてしまうものなので自覚することは難しいです。
しかし、上下の歯が咬み合うところに、すり減りがあるか、頬の内側や舌に歯のかんだ痕があるなどお口の中の状態をみてください。
朝起きた時に口の周囲がこわばっていたり、顎が疲れていたり、肩こりや、頭痛が多いかなどの体調を確認することで自分が歯ぎしりやくいしばりをしているかをチェックすることができます。
自分の体のサインを正しく理解し、早めの対処が大切です。
気になる方は、当歯科医院までお問い合わせください。