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普通の歯科では抜けない?親知らずの「難抜歯」について歯科医院が解説!

2023年9月18日

こんにちは。

伊丹市、阪急伊丹駅すぐの歯医者、はまだ歯科クリニックです。

親知らずという言葉は日常的によく聞くと思いますが、そもそも親知らずって何なの?と聞かれると、案外説明に困ってしまうのではないでしょうか。

今回の記事では親知らずとは?というところから、メインテーマである「難抜歯」まで、もし明日テストに出ても満点が取れるようにじっくり解説していきます。

 

親知らずの基礎知識

まず、親知らずの定義ですが、前から数えて8番目の位置に生えてくる永久歯を指します。

分かりやすく言えば上下左右それぞれの一番奥に生える歯です。

他の永久歯はおおむね12歳ごろに生え揃いますが、親知らずが生えてくるのは20歳前後とかなり遅れて生えてきます。

この親知らずは人類が猿人から旧人、そして現生人類へと進化するにつれて小さくなっており、今では全く生えてこない人も一定数います。

歯としては退化の傾向にあり、また生え方によっては隣の歯と重なって汚れが溜まりやすくなり、むし歯や歯ぐきの炎症を引き起こす可能性があるため、基本的に不要な歯とみなされます。

 

抜く場合、抜かない場合

親知らずが生えてきた場合は必ず抜かなければならないのか、というと必ずしもそうではありません。

以下に親知らずを抜いたほうがよい場合、抜かなくてもよい場合をケース別に説明していきます。

 

抜いたほうがいい場合

・すでに痛みや腫れがある

むし歯や歯周病、または親知らず周囲の歯肉に炎症が起きる智歯周囲炎が起き、痛みや腫れを伴っている場合は基本的に抜歯をおすすめしています。

・磨きにくい生え方をしており、将来的にむし歯や歯周病の原因になり得る

親知らずは一番奥に生えてくるため、歯ブラシが届きにくくなります。

さらに、斜めに生えていたり、半分だけ生えていたりすることも多く、隣の歯との接触部や隙間にプラークが溜まりやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。

・隣の歯を横から押している生え方をしている

親知らずが横向きや斜めに生えて、隣の歯の根っこを押し込んでいるような状態になっていると、押された側の健康な歯の根っこが溶けて短くなってしまうことがあります。

専門的には歯根吸収と呼ばれるこの状態が進むと、当然根っこが短くなるわけですから、歯がグラグラと動き出します。

しっかりと噛めなくなったり、ひどくなると親知らずの隣の歯まで抜歯することになります。

・歯並びや噛み合わせに悪影響が出ている

親知らずが横や斜めに生えてくると、その手前の歯が押されることで全体の歯並びに影響を及ぼすことがあります。

歯並びが乱れることにより、噛み合わせが悪くなることにもつながり、顎だけでなく身体全体のバランスが悪化して全身の健康状態に悪影響が出る可能性もあります。

 

抜かなくてもいい場合

・まっすぐに生えていて、嚙み合わせが合っている

端的に言えば、8番目の奥歯として問題なく機能している場合は抜く必要はありません。

その場合でも、歯ブラシが届きにくく手入れが難しいため、むし歯や歯周病にならないために日頃からプラークコントロールに気を付ける必要はあります。

・完全に埋まっていて、今後も問題が起こる可能性が低い

・一部が生えているが特に問題はない

このような場合は積極的に抜く理由があまりないため、経過観察となります。

・ブリッジの土台や歯の移植に利用できる

親知らずに問題がない場合、ブリッジ(かぶせ物)の土台や、抜歯や怪我などで失った歯の代わりの移植用の歯として利用できることがあります。

自分の歯を移植に使うことを自家歯牙移植と言い、早い話が歯の引っ越しです。

インプラントと違ってアレルギーの心配がなく、生体に優しいというメリットがある反面、歯の形が移植先に合うかどうかや年齢によっても成功率が変わってきますので、歯の生体移植をご検討の方は一度当院にご相談ください。

 

親知らずの難抜歯とは

ここまで、親知らずについて基本的なことを説明してきました。

ここからは本記事のメインテーマである「親知らずの難抜歯」についてお話していきます。

難抜歯、読んで字のごとく「抜くのが難しい」状態ですが、基本的に親知らずの抜歯はまっすぐ生えている場合を除いて難抜歯に区分されます。

具体的にどのような状態を難抜歯とするかですが、

・歯が骨の中に埋まっている(埋伏歯)

・横向きに生えて埋まっている(水平埋伏歯)

・歯の根(歯根)が曲がっている、肥大している、開脚している、骨を抱え込んでいる

といった状態になっていると、抜歯としては難しい部類です。

こうなると、抜くというよりは切開する、歯根を割る、骨を削るなどの処置を行います。

 

治療の流れ

親知らずの難抜歯を行う場合、まずはレントゲン撮影やCTを行い、対象となる歯の形状や埋伏の度合いを画像で確認します。

抜歯の際は麻酔を行い、処置をします。

難抜歯にかかる時間は難易度や個人差によって幅がありますが、難しい症例ですと1時間ほどを要する場合もありますので、念のためお時間には余裕をみていただければと思います。

また、例えご希望があっても右下と左下の歯を同日に抜くことはいたしません。

これは痛みの問題もありますが、一度に両奥歯が使えなくなると食事に著しく支障をきたすためですので、ご理解くださいますようお願いいたします。

抜歯後は根の部分の汚れを取り除き、止血処置を行って縫合をします。

 

治療後に気を付けること

難抜歯の場合は切開を行うため出血を伴います。

このため、抜歯後は30分ほど患者様自身でガーゼを噛んでいただきます。

血が止まらない場合は再度ガーゼを噛んで圧迫止血を続けていただきますが、血が大量に出続ける、止まらないといった場合はすぐにご連絡ください。

当日から翌日までは強くうがいをすることは避けてください。

勢いよくうがいをすると、かさぶたが取れて治りが遅くなることがあります。

また、抜歯当日は飲酒や喫煙を止め、激しい運動や熱いお風呂に入ることも控えてください。
出血がひどくなったり、傷の治りが悪くなる可能性があります。

他にも心配なことがありましたら、抜歯翌日の消毒の際にご確認ください。

 

後遺症ってある?

抜歯が難しいということから、抜いた後の身体への影響や後遺症を心配される方も多くいらっしゃいます。

ですが、適切な訓練と経験を積んだ歯科医師が抜歯を行いますので、ほとんどの場合は心配するようなことにはなりません。

神経に近いところに生えている歯を抜く際には、事前に歯科医師から神経に傷がつく可能性について説明をいたします。
統計的には抜歯後に神経の麻痺(しびれ)が起きる確率は1%程度です。

もし抜歯後にしびれや麻痺が出た場合は、遠赤外線やレーザーの照射、ビタミン剤の服用といった治療を行います。

この麻痺は一過性であることがほとんどで、症状や個人差もありますが、数週間から数ヶ月で治癒します。

上記以外にも抜歯後の傷の治りが悪い、出血が続く、腫れが治まらないなど、不快な症状が一週間以上も続くようでしたら、自己診断せずに当院までご相談ください。

 

まとめ

親知らずは必ず抜かなければならないものではありませんが、将来的にむし歯や歯周病のリスクが高い場合や、すでに違和感や痛みが出ている場合は抜歯することをおすすめします。

1本の歯の不具合が身体全体の不調につながることもありますので、親知らずが気になっている方はぜひ一度当院にご相談ください。

あなたの不安が解消されるように、納得のいくまで丁寧にカウンセリングいたします。

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