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予防歯科で80歳になっても楽しく食事を!

2024年9月30日

美味しくて楽しい食事は生活の質(QOL)を向上させてくれます。いくつになっても自分の健康な歯を保ち、痛みや不快感を気にせず好きな物を食べたいものですよね。

 

「予防歯科」って言葉をご存じですか?

近年は、日本でも「予防歯科」が意識される様になってきました。

「予防歯科」とは、歯が痛くなってから治療するのではなく、痛くなる前に「虫歯」や「歯周病」などの歯の病気を予防することを指します。

その為に、定期的に歯科医院にて検診や歯磨きの指導などを受け、自宅でもセルフケアに取り組むことが必要となります。

痛くなってからでは遅い!

成人には親知らず(4本)を含めると32本の永久歯が生えています。そのうち、80歳までに何本残っているか知っていますか。2016年の厚生労働省の統計では、80歳以上の日本人の平均残存歯は17本という結果が出ています。

欧米では、「予防歯科」の意識がかなり高く、特に歯科先進国とも言われるスウェーデンは定期検診を受けている人の割合が90%で、80歳以上の残存歯の平均は20本を超えているのです。

これは、日本人は「痛くなってから歯医者に行く」、欧米人は「痛くならないように歯医者に行く」という昔からの意識の違いがあるからだといわれています。

「予防歯科」のメリット

歯科疾患を予防することで、高齢者になっても自分の歯を失わないことは大変嬉しいことですよね。しかし、「予防歯科」のメリットは単純に「歯を守る」だけではないのです。

では、「予防歯科」を行うことで得られるメリットを4つご紹介します!

①   未然に防ぎ・早期発見

日本人が歯を失う主な原因は、「虫歯」「歯周病」「かみ合わせによる歯の破折・破損」といわれています。

「予防歯科」に取り組むことで、「虫歯」や「歯周病」が起こりにくい環境を維持することができます。さらには、早期発見ができることですぐに治療を開始することや最小限の治療ですむ可能性もあるのです。

 ②   健康な歯を長く維持し続けられる

歯は一度失うと二度と元には戻らず、むし歯治療で歯を削る度に歯の寿命を縮めます。
いかに歯を削ることなく健康な状態を長く維持するかが大事です。

歯を失えば失うほど食べられるものが少なくなり、食事の楽しみも減ってしまいます。

食事の楽しみはQOL(生活の質)の中でも、かなり重要な部分になることは間違いないでしょう。

③   健康寿命が延びる

実は、口腔内(口と歯)の異常は、全身疾患につながっていることが多いです。

「虫歯」や「歯周病」が引き起こしかねない疾患には「心筋梗塞」や「脳梗塞」、「狭心症」、「糖尿病」があり、歯科疾患を予防することで脳梗塞などのリスクが軽減したというデータもあります。

また、歯の残存本数が多いほど、健康寿命が長くなることが近年の研究で明らかになってきています。

④   将来的にはお金がかからない

「定期的に歯科医院に通うなんてお金がかかる」と感じますよね。確かに、定期検診の費用は掛かりますが、年に数回ほどです。

しかし、「虫歯」や「歯周病」等の治療を始めると何度も通院することになり、定期検診よりも費用も時間も掛かることになってしまうのです。

医院で始める「プロの予防歯科」

「予防歯科」を始めてみようと考えられている方は、来院して「プロのケア」を受けてみましょう。

どんなケアを行うか、詳しくご紹介します。

①検査・診断

まずは、診察を受けましょう。口腔内のレントゲン撮影を行うことで、直接見ることができない部分を確認して、より正確な診断を行います。お口の中を実際に見た所見とレントゲンの所見から、虫歯や歯の根の炎症がないかの診察を行います。

さらに、歯周病の検査も行います。歯茎の炎症や歯槽骨の状態を、器具やレントゲンを使ってどれだけ進行しているか等の確認をします。

もし、この段階で「虫歯」や「歯周病」といった歯科疾患が発見された場合は、まずは治療を進めていくことになります。

②プロフェッショナルケア

<スケーリング>

振動を利用して歯石を分解して除去する器具(超音波スケーラー)を使用し、歯石を綺麗に取り除きます。

<PMTC:プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング>

PMTCは、国家資格を持った歯科医師や歯科衛生士が専用の器具や薬品を使用し、歯の清掃を行ってくれます。

プロが専用機器を使用し、普段の歯磨きでは落としきれない汚れを徹底的に除去し、汚れを落とした後には、歯を滑らかに磨き上げてくれます。これを行うことで、着色汚れや歯垢の再付着を防ぐため、さらに予防の効果を高めてくれます。

<ブラッシング指導を受ける>

「歯磨きは得意」「しっかり時間をかけている」といった方でも、意外に磨き残しがある場合も多いです。

お口の環境や歯の性質は違うため、自身に合うブラッシング方法や歯ブラシの選び方のアドバイスをお伝えします。正しいブラッシングを知ることで、毎日の歯磨きを効果的に行えます。

実はプラスで、間食の仕方や食事と歯磨きのタイミングなど食事に関するアドバイスをすることもあります。食事は虫歯と密接な関係にありますので、虫歯リスクが高い方は歯磨きの他に、食生活も見直す必要がある場合もあります。

<フッ素塗布をする>

フッ素には、「歯の構造を強くする」、「初期の虫歯を修復する」、「虫歯の原因菌の力を弱める」といった作用があるため、虫歯の予防に大きな効果が期待できます。

③メンテナンス

メンテナンスでは、上記の処置を定期的に行っていきます。来院する頻度は、患者さんのお口の状態などによって少し変わりますが、大体の方が月に1回から半年に1回程度です。

 

自宅でも継続する「予防歯科」

定期的に歯科医院でメンテナンスを行っても、月に1回〜半年に1回と期間が空いてしまいます。

365日の内、自宅で行うケアの頻度の方が圧倒的に多いので、自宅でもしっかりと予防の為のセルフケアを継続することも大切です。

セルフケアで大切なポイントを3つご紹介します。

①フッ素入りの歯磨き粉でブラッシング

朝と寝る前、つまり「1日2回は歯磨き」を欠かさず行ってください。できれば、昼食後にもできると良いでしょう。

歯磨きで重要なのは、フッ素入り歯磨き粉を使用することです。虫歯予防により高い効果が期待できます。

②歯間ブラシやデンタルフロスをプラス

歯ブラシだけでは、歯間部の歯垢は6割程度しか落とせません。

しっかりと、歯間ブラシやデンタルフロスといった歯間クリーナーを活用することで、隙間の落としにくい汚れも綺麗にするように心掛けましょう。

③食べ方や食べ物を見直す

ブラッシング指導の内容にて少し触れましたが、食べるものや食べ方はとても歯に影響します。

例えば、ダラダラ甘いお菓子や飲料を摂取していると常に砂糖が口内にある状態となります。虫歯の原因菌は甘い物が好物ですから、菌が増えやすい環境が整い虫歯のリスクを高めてしまいます。

甘いお菓子や飲料を摂る時は、時間や量を決め「ダラダラ食べ」にしない、すぐにうがいするなどのケアを行いましょう。

まとめ

「自分の歯」を失ってしまうと、戻ることはありません。「痛くなったから歯医者に行く」という考え方から、「痛くならないように歯医者に行く」という考えにシフトしてみませんか。

未然に歯科疾患を防ぐことで、80歳になっても、好きな物を食べられる生活を目指しましょう。

「予防歯科」は、「何歳から始める」といった決まりはありません。小児から高齢者までどんな方でも始めることができます。まずは当院にてご相談ください。

 

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