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加齢によるお口のトラブルの原因と対策について解説

2024年9月9日

年々人たちは年をとっていくものです。

残念ながら、その運命を誰も変えることはできません。

歯に対しても、年々いろいろと加齢によるトラブルが起こってくる方々もいらっしゃることでしょう。

人間は運命に逆らうことはできないですが、メンテナンスをすることで、老化を遅らせることはいくらでも可能です。

今回は、加齢によって起こるトラブルの原因を追うとともに、できる対策について考えてみたいと思います。

そろそろエイジングが気になるという方々は、ぜひ一読ください。

 

加齢で歯にどのようなトラブルが起こるの?

加齢によって起こる可能性のある歯のトラブルには以下のようなことを考えることができます。

  • むし歯、歯周病になる
  • 唾液が減る
  • 味覚が変わってくる
  • 詰め物・被せ物と歯のすき間から異変が起こる

むし歯、歯周病になる

高齢化すると歯をささえている顎の骨が痩せてしまい、歯ぐきは次第に下がりやすくなります。

歯ぐきが下がってしまうことで、歯の根っこが露出してしまうことになります。

露出した歯の根っこの部分は、主として象牙質で作られています。

この象牙質は、普段、歯ぐきの上に見えている歯の表面を覆っているエナメル質と比較して、とてもやわらかい素材です。

ですから、露出してしまうことで、むし歯などになるリスクを抱えてしまいます。

また、加齢による免疫力の低下も、むし歯や歯周病菌が増えてしまう原因です。

高齢化することによってむし歯のリスクが減ると考えている方々もいらっしゃるようですが。

実際にはまだまだ、何歳になってもむし歯による不安材料を抱えているため用心が必要です。

唾液が減る

また、加齢によって、唾液が減るというトラブルを引き起こす可能性があります。

そもそも唾液の出る量は、加齢、薬の副作用の影響、噛む力の衰えなどが原因で減少します。

唾液の量が減少してしまって、口の中が乾燥してしまうことを口腔乾燥症と言います。

ドライマウスも口腔乾燥症と同じ症状のことです。

唾液には、口の中を洗浄する作用があるため、減少することで、むし歯になりやすくなり、口臭が発生しやすくなります。

さらに言えば、唾液の量が減少することで、うまくおしゃべりすることができなくなってしまったり、食べることができなくなったりします。

入れ歯を使用している方々の場合、入れ歯を入れるときに痛みが出たりするなどの支障が起こる可能性があります。

味覚が変わってくる

また、加齢化することで、味覚が段々と変化してくることがあります。

人間は普段、舌の表面にある小さな器官・味蕾(みらい)で味を感じとっているのです。

唾液の量が減少してしまうことで、舌の表面に、舌苔(ぜったい)と呼ばれる細菌の塊がつきやすくなってしまい、味を感じにくくなったり、味覚が変化したりします。

また、いつも偏食などしている方の場合、栄養不足が起こり、味覚が変化することがあります。

詰め物・被せ物と歯のすき間から異変が起こる

歳を重ねると、さまざまな治療で入れたつめ物・被せ物が増えていくことでしょう。

歯医者に通院して、詰め物・被せ物をしているから安心ということではありません。

詰め物や被せ物と歯のすき間の部分は汚れが入り込みやすいため、日ごろキレイに磨いているつもりでいても、むし歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。

また、入れ歯を使っている方々の場合は、入れ歯と粘膜のすき間にも細菌が繁殖しやすいため注意が必要です。

歯科医院で口腔ケアを行う意識が大事

以上のような様々なお口のトラブルを回避するためにも、いつも歯科医院でケアする意識も大事です。

当院にもそのような方々が多く通院されていらっしゃいます。

加齢のトラブルを回避するために大事になるのは、「口腔ケア」です。

口腔ケアとは何?

口腔ケアとは、お口の中の状態をキレイに維持することで、むし歯や歯周病をはじめとしたお口に関しての様々なトラブルを予防することを言います。

また、それにともなった全身の健康の維持向上を目指すケアも口腔ケアを行う目的です。

口腔ケアは、器質的口腔ケアと機能的口腔ケアに分けることができます。

器質的口腔ケア

器質的口腔ケアとは、お口の中を清潔に維持するために行うケアです。

基本ケアは、食事をした後のうがいや、歯磨きなどに対して言いますが、中高年以上の方々の場合、入れ歯や舌の清掃なども大事です。

お口の中をいつも清潔に保つことによって、細菌の数を減らすことができ、細菌によって引き起こされる歯周病や誤嚥性肺炎の予防にもつなげることができます。

歯茎や舌や頬、付着した汚れやプラーク(歯垢)や細菌をキレイに取り除くことも器質的口腔ケアです。

機能的口腔ケア

機能的口腔ケアの方には、お口の中のリハビリという目的があります。

機能的口腔ケアで代表的なものとして、お口の体操と唾液腺マッサージの指導があります。

お口の体操では、口を開いたり閉じたり、舌を出したりひっこめたり、頬をふくらませたりすぼめたりして、お口周辺の筋肉を動かすマッサージです。

そのようなマッサージを行うことで、唾液の分泌を促進させることができ、食べる機能性の低下を防ぐことができます。

また、お口の中の唾液腺をマッサージし刺激することで、唾液を出やすくすることができます。

耳の下、顎の下、頬を、ゆすったりもんだりするマッサージです。

加齢によるお口のトラブル防止のための訪問診療

お口のトラブルによって、なんだか食事自体が楽しくなくなってしまった…という方々もいるのかもしれません。

口からモノを食べることは、栄養につながる行為であるとともに、生きる喜びや実感にも直結する行為だと言うことができます。

高齢の方々が、元気にお口からモノを食べることで、様々な病気も早期回復できることが既に研究結果で判明しています。

当院における使命も、患者様がお口から安全にモノを食べることを支援・サポートすることであると考えています。

「訪問診療」とは、その言葉の通り、なんらかの身体的、精神的理由で歯科医院に直接通院することができない方々に対して、歯科医師や歯科衛生士が自宅や介護施設、病院などをうかがい、歯科診療、また、専門的口腔ケアを行うことを言います。

実際に、このような訪問歯科診療の存在自体を知らないという高齢の方々もいらっしゃるようです。

高齢化で、いつか歯科医院に行くことができない事情も出て来てしまう可能性がない訳ではありません。

そのようなときのため、訪問診療の選択肢があることも覚えておくといいでしょう。

 

自分でできる歯のトラブル対策

歯科医院に通うことも大事なことですが、日々、エイジング対策として、自己で行う対策も大事です。

いつも正しい歯磨きをする

口腔トラブルを予防するための基本の基本は、正しく歯磨きすることです。

適当な歯ブラシを購入するのではなく、自身の歯に合ったサイズの歯ブラシを使用することも大事です。

また、歯と歯のすき間や、入れ歯の留め金具部分などに起こる磨き残しを防ぐため、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使用する習慣ももつようにするといいでしょう。

舌をキレイにする舌ブラシや、フッ素入りの歯磨剤(歯磨き粉)を使用することもおすすめしています。

 

ドライマウスを予防する

普段からよく噛んで食べたり、舌を動かしたりする習慣をもつことで、唾液腺を刺激することができます。

保湿剤が配合された洗口液を使うのもいい方法であるため覚えておくといいでしょう。

また、お口の中が渇いたら、こまめに水分をとるように心掛けましょう。

高齢者の方々は、熱中症の問題もあるため、渇かなくても水分は意識してとる必要があります。

当院では、定期検診も行っています。

それは、加齢による歯のトラブルを阻止するための方法でもあります。

当院では、歯の治療を行うとともに、日頃の歯のケアについても指導させていただいております。

まずは、気軽に歯科医院と向き合う気持ちが歯のトラブル改善につなげることができます。

 

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